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法律のこと、社会のこと、京都のこと。弁護士大河原壽貴のブログです。

規制強化 賛成8割超 京都市 新景観政策(本社世論調査)(京都新聞)→記事全文1 記事全文2


京都市が新年度の早い時期に導入を目指している新景観政策について、京都新聞社は市民を対象に電話世論調査を行った。
京都らしい景観について9割以上の人が守る必要があると答え、新政策導入に伴う建築物の高さや屋外広告物の規制強化も8割以上が賛成、7割以上が自ら規制を受け入れると回答した。市民の多数が賛成する結果となったが、政策の概要について知っている人は半数程度しかなく、市には今後、市民に対する十分な説明が求められそうだ。

新景観政策の導入によって、市街地の3割で高さ規制が強まり、デザイン基準見直しや屋上広告物の全面禁止など屋外広告物規制が強化される。これに「賛成」は38・2%で、「どちらかといえば賛成」の44・8%を含めると賛成が83%に達した。「反対」「どちらかといえば反対」は15・5%にとどまった。

また、「居住地が規制された場合、受け入れるか」との問いには、景観保全に協力する姿勢を示す「受け入れる」が72・5%。「受け入れられない」は18・8%だった。

規制強化に「賛成」と回答した人を支持政党別にみると、自民党や民主党支持者の4割以上、共産党支持者の6割以上が積極的な賛意を示した。


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京都市内の高さ規制を含む新景観政策ですが、市民の8割を超える方が「賛成」「どちらかと言えば賛成」と回答したそうです。

すでに大通り沿いには高層(といっても45メートルですが)のビルやマンションが建ち並び、京都ホテル(現京都ホテルオークラ)や京都駅ビルなど、目立つだけで周りと全く調和しない建物がたつなど、すでに開発という名の街こわしが進みつつある京都市内ですが、ようやく景観保持のための規制に取り組みはじめました。

現在45メートル規制がかけられているところは、31メートルになるなど、規制が強化されます。
新景観政策の概要はこちら



今回の世論調査を見ても、特に市内の中心部で市街地景観が悪くなっていると感じている市民が多くなっている状況が明らかになっています。その原因の一つが今の高層マンションラッシュであることは間違いありません。
その意味で、遅きに失した感もあるのですが、京都の都市景観を守る意味で、今回の新景観政策は歓迎すべきものでしょう。



ところが、一部不動産業者を中心に、反対の動きがあるようです。
高さ規制を超えるマンション等は既存不適格建物になり、いきなり取り壊せとはならないのですが、何十年後かに建て替えるときには、今より低い建物を建てなければならなくなるということで、反対しているようです。それと、既存不適格のマンションではローンが通らないというようなことも言っているようです。

ただ、マンションの売買契約書というのを見ると、事後に規制がなされるなどの事情で、建て替えの際には同じ大きさの建物が建たないこともある、というようなことが書いてあって、購入者の承諾を得ているものが多いようです。
また、既存不適格を理由にローンが通らなくなるかどうかは、実際は個別の審査によることになるので、何とも言えません。が、現在のマンション市場を見るに、建て替えを見越した資産価値を反映しているようには思えません。新築は新築なり、築30年は築30年なりの値段がついているように思います。金融機関は、建て替えを見越してマンションの担保価値を把握するようなことをするのでしょうか?

個人や個別業者の利益に固執するのは、あまりいかがなものかと思います。



今回の新景観政策に対しては、京都弁護士会も、基本的に賛成する旨の意見書を出しています。

今回、京都市民の8割を超える方が、新景観政策に賛意を示し、中でも7割を超える方が、規制を受ければそれに従うと答えたのは、京都市民の、京都の街を思う気持ちの現れでしょう。これが「郷土を愛する心」なのかな〜なんて思います。




さて、上で、一部修正の上引用したのはもっぱら京都新聞の記事全文1の方です。そちらでは省略されていたのですが、もう少し詳しく世論調査結果を載せている記事全文2によると、公明党支持者で新景観政策に「賛成」と答えたのは14.8%にとどまるそうです。
これはなぜ?

宮崎県知事選 逢沢議員、メールで投票依頼 公選法で禁止(毎日新聞)→記事全文

逢沢一郎衆院議院運営委員長が宮崎知事選の投票日直前、知人や支援者ら約1000人に対し、自民党推薦の持永哲志候補(落選)への投票を呼びかけるメールを2回送っていた。多数の人に対してメールで投票を呼びかける行為は公選法で禁止されている。

逢沢氏の事務所は「投票依頼とみられても仕方がないが、宮崎の人に頼んだわけではないし、違反の意図はなかった」と釈明している。

逢沢事務所によると、メールは、逢沢氏の選挙区の岡山県内のメールマガジンの登録者や知人に送られた。「宮崎知事選挙『もちなが哲二(原文のまま)』さんをお願いします」とのタイトルで、本文にも「宮崎県にお知り合い、友人の方がいらっしゃいましたら、『もちなが哲二』さんをどうぞよろしくお願い致します」とある。逢沢氏が持永氏と友人であることや16日に逢沢氏が宮崎県えびの市に応援に入ったことがつづられ「もちなが君には、宮崎県政を建て直そう、宮崎の経済と県民生活を向上させようと決意した素志、原点を常に大切にして知事として活躍してもらいたいと願っています」と結んでいる。

選挙運動として不特定または多数の人にメールを発信することは、公選法の禁止する法定外の文書図画の頒布に当たる。総務省選挙課は「一般論だが、メールで選挙運動をすることは公選法で禁止されている」と話している


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これはアウトでしょう。
前に公職選挙法のエントリーでも書きましたが、メールで選挙運動をすることは、公職選挙法の文書図画の配布にあたり、禁止されるというのが公権解釈です。

自民党が検討しているインターネットによる選挙運動の解禁の議論でも、ホームページは解禁だが、メールは解禁しないという感じの議論だったと思います。



1000通が2回で、合計2000通のメールですよ。

「宮崎の人に頼んだわけではないし、違反の意図はなかった」なんて子どもの言い訳みたいな釈明が通用するはずありません。

総務省も「一般論としては禁止されている」なんて言ってる場合でないでしょう。
これが通用するんだったら、これまで、私が相談を受けたときに「投票依頼のメールを多数に送るようなことはしてはいけませんよ」と、くそマジメに答えていたのがバカらしいです。


それとも、これを契機に(少なくとも)メルマガ方式でのメール選挙運動は事実上解禁するということかな。
この一件が事実上うやむやで終われば、そうなりますよね。
原爆症認定訴訟:国に申請却下取り消し命じる 名古屋地裁(毎日新聞)→記事全文

原爆症、2人認定2人棄却 集団訴訟で名古屋地裁判決(京都新聞)→記事全文

原爆症の認定申請を却下された愛知県内の被爆者4人が国を相手取り、処分の取り消しなどを求めた訴訟で、名古屋地裁は、4人の原告のうち2人の却下処分の取り消しを命じた。
国の認定基準について「評価を形式的に適用し、判断したのでは因果関係が実態を反映するとはいえない。誤った結果を招く危険性がある」と批判。

争点は国の原爆症認定基準の妥当性だったが、判決は国が基準としている「原因確率論」について「放射性降下物や誘導放射能を十分に把握出来ない」と批判。
「(認定の際は)原因確率論が内包する誤差を踏まえたうえでしんしゃくし、被爆者ごとの状況などを個別具体的に考慮して判断する必要がある」とした。


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名古屋地裁判決では、2人の方については認定されませんでした。
この点、名古屋地裁判決は被爆者への理解が不十分と言えるでしょう。

しかし、大阪地裁、広島地裁と同様に、厚生労働省の機械的な認定方法については、明確に批判しました。
名古屋地裁判決の指摘した「被爆者ごとの状況などを個別具体的に考慮して判断する必要がある」という点について、厚生労働省側は、認定にあたっては個別に判断していると主張しているのですが、そうでないからこそ、上のような指摘を受けるのです。

厚生労働省は、原爆症認定にあたって、「原因確率論」の機械的なあてはめ運用に終始していることを認め、今すぐやめるべきでしょう。

中国残留孤児が敗訴 東京地裁、国の賠償責任認めず(京都新聞)→記事全文

永住帰国した中国残留孤児が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は、国の賠償責任を認めず、請求を棄却した。
「原告の損害は戦争から生じたもので、それを国の違法行為と認めることはできない。国には早期帰国実現義務はなく、法的に自立支援義務も負わない」と判断した。



夏までに残留孤児支援策、厚労省が方針(アサヒ・コム)→記事全文

永住帰国した中国残留日本人孤児の生活支援について、厚生労働省は、今夏までに新たな支援策をまとめる方針を明らかにした。
厚生労働大臣は、衆院予算委員会で「夏ごろまでには第三者の有識者の意見も聞きながら、いい案をつくりたい」と述べ、専門家の意見を踏まえつつ具体策のとりまとめを急ぐ考えを明らかにした。


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残留孤児訴訟の東京地裁判決は、冷たいばかりでなく非常に問題のある判決でした。
残留孤児の問題を、どうして戦争被害一般としてしか捉えられないのか。

確かに、残留孤児の問題の発端は先の大戦にあります。
しかし、その問題の本質は、戦後行われた引き揚げ事業からも取り残され、中国大陸に孤児が残されていると知りながら、戸籍上死亡と扱う手続きを取って調査を打ち切っていった戦後の政策にあります。
そして、日中国交回復後も、残留孤児らを外国人として扱い、帰国するのに無理を強いたのです。

その問題を、単なる「戦争被害」としか捉えられない想像力のなさ。
帰国を数十年待ち続けた孤児らの気持ちに対する無理解。




東京判決があまりに冷たかったからかどうかはわかりませんが、政治が動き出しています。

そもそも、中国残留孤児訴訟は、孤児らが政治的な解決を求めて請願運動をしたのに、全く取り上げられなかったことから、提訴の動きが始まったのです。
そして、法的責任を認めず原告敗訴を言い渡した大阪地裁判決ですら政治的責任を認め、
原告勝訴が言い渡された神戸地裁判決の際には、司法救済の限界と政治解決の必要性が語られたのですから、
遅きに失した感は否めません。


しかし、いずれにせよ政治解決は必要です。
今、政治が動いているのは積極的に受け止められます。
本当の意味での解決を目指して、裁判も運動ももう一頑張りです。

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